VWポロでダイナソーを見に行く
フォルクスワーゲンに乗って、家族で、近所をちょこちょこ出かけることはあっても、東京に住んで10年にもなろうと言うのに、ほとんど毎日を、会社と家の往復しかして来なかった、東京の主立ったものを自分は知らない、という気分になることがあり。
もっと東京を観ておかねば。その思いが、なにか悔いのようなものとなって残っている。田舎者の性質である。
だから、愛車ポロに乗り、スカッと首都高を飛ばして、ぐるぐる回って、上野で下りる。上野公園に来たことがなかったので、一度、西郷隆盛でも見ようと思いつく。思いの他、小さく、迫力も感ぜられず、肩すかしだったのは、なぜだろう。十代の頃、渋谷のハチ公を見た時は、アイム・リィリィ・ハッピイ・トゥ・ビィ・ヒヤアと思ったのに。

上野公園は、暗くて、ちょっと臭かった。ぼくは鼻が強くないのかもしれない。ニオイの強い場所に長居が出来ないのれす。そして、そこらをちょっと歩いて、国立科学博物館にたどり着く。
そう言えば、ぼくは、恐竜の骨というものを、自分の目で見たことがない。ちょうど良いので、よってみよか。ダイナソーは、国立科学博物館の地下一階に、見事なまでの躍動感をもって、組み立てられていた。
驚いた。あんなに迫力があるなんて。「ここに居ることが出来て幸せだ」と東京で感じたのは、ハチ公以来なのだ。ティラノサウルスがあんなに強そうだなんて。ディノニクスは、本当に狡猾に見える。本当に、格好く、リアルで、とても良かった。満足。
気分よくポロを走らせる。家に帰ったら、Tレックスの絵を描いて、子どもたちを驚かせよう、とか考えて、ニヤニヤしながらの、ホームワードバウンドであった。
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